2015年9月19日土曜日

アルミ缶バーナーの作り方(単圧式)

 アルミ缶バーナーの制作で、試行錯誤の結果、現在はこの作り方に落ち着いている。

 制作に使用する道具は次の通り。
 1. サンダーとペイント剥がしディスク、フェルトディスク、研磨剤
 2. カッターナイフ
 3. スニップル(金切りハサミ)
 4. ロングノーズ
 5. マーカーペン
 6. 塩ビパイプのキャップ2サイズと廃棄する幼児用自転車から取った金具
 7. リューターとマイクロドリル
 8. 革手袋
 9. 洗浄用に使用するガソリン

使用する道具

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殆どの道具はホームセンターで入手可能である。

ペイント剥がしディスクとフェルトディスク
塩ビパイプのキャップは缶のサイズに合わせて選択使用する。

塩ビパイプのキャップと
幼児用自転車から外したボトムブラケットの金具
  サンダーを使う際は、革手袋を使用する。以前は軍手を使っていたが、繊維が引っかかったり、意外と軍手は弱いので作業用の革手袋を使うようになった。それほど高くないし、フィット感もいい。
 缶を台に置いてディスクを使うと缶が凹んだり変形しやすいので、手に持って作業すると上手くいく。

ペイント剥がしディスクで表面のプリントを剥がす。
表面のプリントを剥がすのは必要なところだけで充分。どうせ残りの部分は捨てる。

ペイント剥がしを終わった所。
表面はガサガサである。
次にフェルトディスクに研磨剤を着けてサンダーで磨く。やり方はペイント剥がしと同じやり方である。
 研磨後は缶の表面に研磨剤が残っているのでウエス(ボロ布)にガソリンを染みこませて拭きあげる。
 研磨後と研磨前ではこうも違う。

手前が研磨前。奥が研磨後の缶の表面。

右が研磨前。左が研磨後。
缶底の缶マーク(製造ロットや賞味期限の略号)はインクジェットで打たれている。このインクはメチルアルコールで溶解する。
 薬局等で販売されている燃料用アルコールはメチルアルコールとエチルアルコールの混合であるが、我が家では燃料用のアルコールはメチルアルコールを使用している。
 エチルアルコールの方がカロリーが高いようだが、燃焼すると赤い炎が出て多量のススが出る。一方メチルアルコールはススが出ないが炎が見えにくい。夜間は炎がよく見えるが、昼間は手をかざさないと燃えているのがわからないことが多い。今度はエチルを買って混合しようかとも考えている。

缶底の缶マーク。

メチルアルコールを注ぐとインクが溶けているのがわかる。

 研磨が終わったら、バーナーの高さを決めてカットラインを書き込む。缶を台の上に立て、マーカーを固定して缶を丁寧に回す。これで大体うまくラインが引ける。

塩ビキャップを台にしてマーカーを固定しているが、
もっと低い場合はテーブルの上に直接手を置いて
マーカーを固定することもある。
カットラインを一周引き終わったら、工作用カッターナイフで切込みを入れる。この時、切り口周辺は大きく変形するのでカットラインより離れたところに切り込む。 また、カッターの刃は多めに出したほうが作業しやすい。

カットラインより離して切り込む。

少しずつ缶を回転させながら切る。
切り口の変形は大きいのであまりカットラインに近いところは
切らないほうがいい。
ある程度カッターで切り口を開いたら、スニップルでカットする。ここで、斜めにカットし、カットラインに近づいていき、最終的にはカットラインで切り上げる。

カッターで開けた切り口からカットラインに向けて切り進み、
カットラインで一周切り上げる。
  缶底の凹みを修正して、バーナー容量の確保を図る。特に、バーナーが薄型(高さが低い)の場合はこの作業は重要である。薄型は容量が少なく、燃焼時間が短くなるからである。
 通常の350ml缶の場合は塩ビキャップでプレスするが、今回のモンスターエナジー缶では直径が小さいので写真の道具を使っている。これは塩ビキャップに幼児用自転車のボトムブラケットから外したものを両面テープで貼り付けただけのものである。(使えそうなものは捨てる時に分解して保管してある。家内にはゴミと呼ばれているが・・・)

塩ビキャップに幼児用自転車のボトムブラケットを貼り付けた道具。

缶の内側からセンターに当てる。
  コンクリートの地面に板を置き、缶の内側から塩ビキャップを当て、さらに木材をのせる。ここで特殊工具「池中玄太80んkg」を使用する。(古いネタでゴメンナサイ。) つまり全体重で押しつぶすのである。最初は両手で抑えて上半身の体重をかけ、ある程度プレスしてからは足で乗り全体重をかける。少なくとも83kg(あっ。バレちゃった)の私ではこれてプレスができる。
 重量が足りない人は、頑張って体重増やして下さい。
 
 スプレー缶等の肉厚の缶の場合は私の特殊工具「池中玄太80んkg」でもプレスできないので万力を使用します。

手を支えやすいように家屋の壁際のコンクリートに板を敷き、
アルミ缶、塩ビキャップ、材木を置きプレスする。
特殊工具「池中玄太80んkg」は企業秘密なのでお見せできません。

 缶底をプレスするのはアルミ缶バーナーの底に当たる部分だけ。上部はプレヒート用にアルコールが溜まるようにしたいので、プレスはしません。

左がプレスしたもの(バーナー底部)。
右がプレスしていないもの(バーナー上部)

 バーナー上部に燃焼ノズルを開ける。リューターにマイクロドリルを着けてひとつずつ開けます。
 ノズルの径と数で炎のサイズと高さ、量が決まるのでいろいろ作って使用目的にあったサイズを選んで下さい。

0.5mm等のドリルはすぐに折れるので丁寧に作業をする。

 アルミ缶バーナーでgoogle先生に聞いてみると、多くの方が底部に上部を被せる方法で制作されているようです。つまり、底部が内側に、上部が外側になるように嵌め込んでいます。この作り方だと仕上がりが綺麗です。
 ですが私の場合は燃料が外に漏れるのが怖いので、底部が外側、上部が内側になるように嵌め込んでいます。
 
 同径の缶を嵌め合わすのでそのままでは嵌まりません。内側になる上部の縁をロングノーズ(ラジオペンチ)でチマチマとひだを作ります。

縁に少しずつひだを作る。
ひだがあまり深いと燃料漏れを起こすので注意。

 一周ひだができたらバーナー上部と底部を嵌め合わせる。そして少しずつ力を加減しながら押し込んでいく。この時一気に押しこむと斜めに嵌り込み、変形しどうしようもなくなる。そうなると「振り出しに戻る」ことになり、今までの工程が一気に無駄になる。

ひだをつけることにより嵌め合わせやすくなる。

少しずつ押し込んでいく。

 奥まで嵌め合わせたら、バーナー底部の縁のバリがあるので工作用カッターの柄にあるヘラでガリガリと押さえる。

このカッターはヘラが付いているので便利。
これで完成。

完成品。

 バーナーを僅かに傾けて、上部の凹みに燃料を注ぐ。下側のノズルから燃料が内部に落ち、上側のノズルから空気が抜ける。ノズル径が小さいと時間がかかる。 必要な量の燃料を数回に分けて注ぐ。

バーナーを傾けて燃料注入。

 燃料を入れ終わったら 水平に置き、バーナー上部に燃料が溜まるように注ぐ。これがプレヒート用の燃料となる。

上部の凹みに燃料を注ぎ、点火する。

プレヒート中。

本燃焼中。
メチルアルコールなので昼間は炎が見えません。

 ピカピカの自分だけのアイテムです。使用目的に応じて単圧式、複圧式、ノズルの位置、ノズル径、ノズルの数、大きさ、高さいろいろ変えて作ってみるといいようです。
 どこにもお出かけできなくても、楽しい時間が過ごせます。作ってる時も楽しいし、出来てからも嬉しいし。
 
 あなただけのアルミ缶バーナーをどうぞ。

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