2019年11月27日水曜日

キャンドルランタンのオイル化 タブレット型アルミ・オイルインサート制作①

2019.October.26.

 前記事「キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作」の一番最後に書いたとおり、今回はミニ・キャンドルランタンのオイルインサートを制作してみた。

 手持ちのアルミボトルの底部の径は35mm。ミニ・キャンドルランタンに乗せてみると、ホルダーのサイズより若干小さ過ぎて座りが悪い。ちなみに市販のタブレットキャンドルは実測38mm径である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
50mlアルミボトル




 前回同様、火口はHD8を利用した。
 今回使用するボトルは2本である。

 2本の底部をそれぞれタンク上部と下部として使用する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
アルミボトルの底部。
左がタンク下部用。右がタンク上部用とする。


 その他、手持ちの0.5mm厚アルミ板。タンク内部の上下の繋ぎと、タンクの外径を増やしてミニ・キャンドルランタンのホルダーにきれいに収まるようにするためである。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左からHD8から取った部品。タンク上部。
タンク内部の繋ぎ部品。外径調整用。タンク底部。


 HD8から切り出した火口をタンク上部に接着する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク上部と火口を接着する。
(下の他の部品はただの台として使用しているので
気にしないで)


 今回も耐熱性接着剤「JBウエルド」を使用した。




 さらにタンク上部にタンク内部繋ぎ部品を接着する。この時、繋ぎ部品は半分はみ出すようにする。

タブレット型アルミ・オイルインサート
繋ぎ部品の接着


 残りは外径調整用部品とタンク底部である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左からタンク底部。外径調整用部品。タンク上部。



 この状態で火口にガラス芯を通す。このオイルインサートは非分解型なので長めに芯は入れた。燃料オイルは空気穴から化粧品注入用のシリンジで追加できるが、芯の交換は絶望的である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
ガラス芯を通す


 化粧品用アルミボトルはウコン缶などの飲料ボトルと違い、底部に接合部の十字型の山があるので、余分な山はリューターで削り落とした。ただでさえ容積が小さいので少しでも余計な部分は無くしたかった。

タブレット型アルミ・オイルインサート
余分な出っ張りを削ったあと。



 接合部にしっかりと接着剤を塗り、上下を接合する。隙間があると燃料が漏れる。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク上部と下部を接着。


 続いて外径調整用部品を接着し、タンクの外径を大きくする。

タブレット型アルミ・オイルインサート
外径調整用部品を接着


 接着剤の整形用にマスキングテープを貼る。

タブレット型アルミ・オイルインサート
マスキングテーブをはり、接着剤の形を整える。


 接着剤が硬化した後、リューターで余分な接着剤を削り、表面を研磨する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
研磨後の底部

タブレット型アルミ・オイルインサート
研磨後の上部


 これで完成。
 燃料を注入し、芯の高さを調整する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
芯の高さ調整後


 未使用のHD8と比較すると一回り小振りとなった。高さも低くした。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左がHD8、右がタブレット型オイルインサート。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左がHD8、右がタブレット型アルミ・オイルインサート。


 ちなみにタンク容量はわずか15mlほど。1時間に4~5ml燃焼するとして3時間ちょっとである。
 冬の仕事帰りの浜辺でのコーヒーブレイクには余るほどの燃焼時間である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク容量は約15ml。
燃焼時間は3時間ちょい。

 UCOミニ・キャンドルランタンでの燃焼状態は下の写真のとおり。
 炎の高さも充分。照明器具としてのキャンドルランタンとしてはロウソクより明るい。

 燃焼時に持って回ってもロウがこぼれる心配もない。点火消灯を繰り返してもロウソクのように芯が短くなって炎が小さくなることもない。

タブレット型アルミ・オイルインサート


 タンクの容量が少ないのだけが不満といえば不満かな。


[自作 オイル化 オイルインサート キャンドル ランタン]

2019年11月17日日曜日

キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作 ①

2019.October.19.

 前記事「キャンドルランタンのオイル化についての実験と考察 HD-8の利用」で手に入れたHD8の火口の構造とキャップの効能については素晴らしいものがある。

 PET製のタンクは熱に弱いので仕方ないのだが、熱に強いタンクを使用すれば問題は一気に解決する。

 過去記事「キャンドルランタン オイルインサート」ではMGT-4の火口とガラス瓶を使用した。これはこれで使えないことはないのだが、ガラス瓶は重くていただけない。燃料の残量確認には便利なのだか、軽量が取り柄の「アルミ・キャンドルランタン」が泣く。

UCOキャンドルランタン
アルミ・オイルインサート


 身近な小型アルミ缶を探してみたがウコンドリンクの缶でも大きい。でも探せば見つかるものでamazonで化粧品用の小分けボトル50mlというのが使えた。ただし、キャンドルホルダーと同径なのでホルダーとボトルを交換する方法を取るしかない。


アルミ・オイルインサート
見つけたアルミボトル50ml。



 まずHD8のタンクと火口を分離する。リューターに切断砥石を付けてタンクの口を切る。

アルミ・オイルインサート
火口を切り外したHD8

 さらに阿蘇山で言えば外輪山の部分は使わないので中岳を中心としたカルデラ部分を利用する。(例えが九州人以外わかりにくいかも・・・下の写真の通りです)

アルミ・オイルインサート
不要部分をカット。

アルミ・オイルインサート
ここが使用する部分。

 このボトルのキャップは結構柔らかいのでボトルの口を覆うギリギリのサイズでかつ、キャップの内側に入るサイズで部品の径を合わせる。

アルミ・オイルインサート
ボトルの口をギリギリ覆うサイズ

アルミ・オイルインサート
かつ、キャップの中に入るサイズ


 キャップの中央に部品の突起部が入るサイズの穴を開け、耐熱接着剤で接着する。
 アルミ缶バーナーで多くの方から絶賛の「JBウェルド」が300℃までの耐熱性があるということでこれを使用した。





 ボトルの底部には1mm厚アルミ板を円形に切り、もともとあったキャンドルホルダーの爪に合わせた形に整形した足を接着した。 

アルミ・オイルインサート
キャップに火口、ボトルに足を接着。

アルミ・オイルインサート
ボトル底部の足の形。

アルミ・オイルインサート
キャップの火口の形。


 接着剤が硬化したあとでジッポーの芯を2本繋いで取り付けた。

アルミ・オイルインサート
2本繋のジッポーの芯。


 一応完成?

アルミ・オイルインサート
組み立て完了。

 で、早速燃焼テスト。


アルミ・オイルインサート
燃焼状態。

 燃焼テスト後1時間。なかなか良いかも? 
 1時間で4~5mlの燃料を使うようなので、ボトル50mlだと10~12時間はもつはず。ということでCasio NameLandで印刷しボトル底部に貼り付け。これをしてないとそのうち忘れてしまうのである。


アルミ・オイルインサート
ボトルの容量と燃焼時間の概算を明記。

 キャンドルランタン本体のハードケースとしてペットボトルをドライヤーで変形させたものを制作した。
 サイズ違いのコーヒーのペットボトルを本体と蓋とし、両方をセットしてから外から温風で加熱し蓋のサイズを縮める。きつすぎず、ゆるすぎない程度でやめておくのがポイント。言うほどキレイにはならなかったが・・・。

UCOキャンドルランタン
ペットボトルで作ったセミハードケース

UCOキャンドルランタン
収納状態。

 これで一段落と思っていたが、5時間程燃焼させた頃、急に炎が小さくなった。芯の状態に変化はない。燃料を継ぎ足すと炎が大きくなった。

 つまり、ジッポーの芯では燃料液面が下がると燃料を吸い上げきれなくなる事がわかった。サイフォン効果を高めるため、手持ちのガーゼを芯に巻くと炎の大きさが安定した。

 しかし、ジッポーの芯の不安感を拭えなかったので、ちゃんとしたオイルランプの芯を入手した。ガラス芯3mm径である。

アルミ・オイルインサート
3mm径のオイルランプ芯

 この芯なら大丈夫とは思うが、液面からの高さを考え転ばぬ先の杖。ガーゼを巻き、糸で軽く解けないように縫った。

アルミ・オイルインサート
ガラス芯の周囲を5周ほどガーゼで巻き軽く縫う。

アルミ・オイルインサート
ガラス芯の下部だけが巻かれればいい。

アルミ・オイルインサート
芯とガーゼはスライドできるようにしておく。

 ガラス芯はジッポーの芯よりはるかに太い。千枚通しで火口の穴を少し広げ、芯の先を説明書の通りテープで巻いて穴に通す。

アルミ・オイルインサート
芯の先端をテープで斜めに巻く。

アルミ・オイルインサート
テープごと穴に通す。

アルミ・オイルインサート
引き抜いてテープを外す。

 これがなかなか難しく、穴を少しずつ広げながら、テープの巻き方を変えながら何度もやり直してどうにか通せた。

アルミ・オイルインサート
芯が火口にセットできたら完成

 ちなみに下の写真はキャンドルランタンの下のキャップと完成したアルミ・オイルインサートともともとのキャンドルボルダーである。



アルミ・オイルインサート
左からキャンドルランタンの下のキャップ。
中央が完成したアルミ・オイルインサート。
右がもともとのキャンドルボルダー。


 アルミ・オイルインサートの底部はキャップにきちんと固定できるように、何度もリューターで削りながら整形した。

アルミ・オイルインサート
オイルインサート取付状態


 芯の出し方は0.5mm程度で下の写真の炎の高さとなった。

UCOキャンドルランタン
ベストな炎。

UCOキャンドルランタン
アルミ・オイルインサートとキャンドルランタン

UCOキャンドルランタン
キャップを付けたところ

UCOキャンドルランタン
キャップを付けてセット

アルミ・オイルインサート
キャップの拡大


 ちなみにHD8のキャップが今後割れたりして破損した時どうするか? と、考えて手元にある物で代用品となるものを探してみた。

 なんとピッタリだったのはJTのプルームテックのシリコンキャップである。なにかに使えるかも?と捨てずに貯めてあったのがようやく日の目を見た。

 径はピッタリ、高さが高めである。

アルミ・オイルインサート
左がJTのプルームテックのシリコンキャップ。
右がHD8の純正キャップ。

アルミ・オイルインサート
ゆるくもなく、きつくもなくピッタリ。


 プルームテックのシリコンキャップだと、キャンドルランタンを畳んだ時に少し隙間ができる。

UCOキャンドルランタン
プルームテックのキャップでランタンを縮めた時

UCOキャンドルランタン
できてしまう隙間


 シリコンキャップをハサミで少し切ることで、問題は解決した。

 これでようやく納得の行くオイルインサートが完成した気がする。
 ただ、キャンドルランタンはこれだけではない。ミニキャンドルランタンも手元にはあるし、持ってはいないが、キャンドリアも前から興味津々である。

 夢?(欲望?)は果てしない。


【追記】「キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作 ②」に続く


[自作 オイル化 オイルインサート キャンドル ランタン]