2019年12月29日日曜日

アルミ缶で作るアロマウォーマー ①(アロマポット)

2019.December.27.

 おじさんではあるが、たまに気分を変えたくてアロマオイルを使うことがある。
とは言え、高いアロマポットやアロマオイルを使うのでなく100均だったり、ファンシーショップで購入したものではあるが・・・。
 
アロマポット
自作 アルミ缶 アロマウォーマー


 これまではだいぶ以前に100均で買ったアロマウォーマーを使っていた。これはこれで問題なく使える商品なのだが、欠点がひとつ。上部の水入れの容量が小さ過ぎる。タブレットキャンドル(ティーライトキャンドル?)の燃焼時間は約4時間。キャンドルが燃え尽きるまで3〜5回ほどは水を補充しなければならない。水が無くなるとアロマオイルが焦げて嫌な匂いが部屋中に充満する。
 
アロマポット
長年愛用の100均のアロマウォーマー。


 Amazonではなかなかいいデザインのアロマウォーマーが沢山ある。デザインがおしゃれだと高い。チープだとレビューも良くない。一週間ほどどうしようかなぁ?と悩んだ末、空き缶で作ってみるか!という結論に至った。

 材料は我が家のゴミ箱にあったコーヒーのボトル缶である。この缶を選んだのは、缶底の形状に段が有り細くなっているので2本を組み合わせし易いと考えたからである。

アルミボトル
コーヒーの空きボトル缶。


 このコーヒー缶はアルミにプリント缶ではなく、印刷されたフィルムが巻かれている。フィルムを剥がせばすぐに無地缶になる。サンダーで磨いて印刷を剥がす手間がいらない。
 これまでアルミ缶で色々工作した経験から、全てのアルミ缶がこの構造になれば楽なのにと考えてしまう。

アルミボトル
表示ラベルのフィルムを剥がす。


 使用するのは同じ缶2本。ボトル缶の底部のみを使用する。

 100均のアロマウォーマーと並べて高さを決める。次に排気孔の位置を決めたらドリルでゆっくりと穴を開ける。キャンドルの出し入れの穴をカッターで開け、ボトルの上部を切り取る。

アロマポット
100均のアロマウォーマーと見比べて、
各開口部の位置決め。


 切り口をリューターで滑らかにしてアロマウォーマーの本体は完成である。

 完成した本体に残りのボトルを差し込んでここで失敗に気付いた。排気孔の位置が高過ぎた。まあ、これでも排気されないことはないので諦める。

アロマポット
本体と残りのボトル。


 最後にポット(水入れ部)となるボトル底部の切断。あまり浅過ぎず、深過ぎずの高さにした。
 出来上がったポットのサイズは直径6cm、高さ3.3cmである。概算で容量93.3cc。

アロマポット
左:アロマウォーマー本体。
右:ポット(上部水入れ)。


 ポットを本体に軽く押し込みこれで出来上がり。あまり強く押し込むと排気孔が塞がるだけでなく、アロマウォーマーの口が裂けてしまう。

アロマポット
100均のアロマウォーマーと並べてみた。
アロマポット
上から見たところ。

アロマポット
正面横から。

アロマポット
ちょっと露出を下げて。

アロマポット
後ろから。

アロマポット
斜めから。


 ポットの口は金切りバサミで切っただけなので手を切らないように要注意である。もし、次にもう1個作る時はリューターを多用し丁寧な切り口にしたほうが良いかも。

 制作してからもうすでにキャンドル3回ほど使用しているが、水の量はポットの8割程度(70cc)で良いようである。キャンドルが燃え尽きた後、水が残っている状態である。アルミ缶は薄いので、空焚きすると溶けて穴が開く危険性がある。ポットの1/5程は水を残しておきたい。

 燃焼中もポット内のお湯は沸騰することはないが、よく見ると湯気が僅かに上がっているのがわかる。香りの蒸散もいい。アロマウォーマー本体の下部を横から指で挟んでみてもやけどするほどの熱さはない。注意すれば移動も可能。掌に乗せても温かいぐらいである。テーブルを焦がす心配もないようである。
 陶器やガラスと違い極めて軽い。ポットの水の量が少なくなると風で飛ばされることも考えられる。窓際や強風時には要注意である。
 
 空気が乾燥し、寒さが厳しくなる冬。加湿機能に香りを添えて。お手軽空き缶再利用。
あなたもおひとつ如何?


【追記】記事「アルミ缶で作るアロマウォーマー ②(アロマポット)」に続く。


[自作 アルミ缶 アロマポット アロマウォーマー]

2019年12月14日土曜日

キャンドルランタンのオイル化 タブレット型アルミ・オイルインサート制作②

2019.Novenber.08.

 前記事「キャンドルランタンのオイル化 タブレット型アルミ・オイルインサート制作①」で調子に乗ったので、より容量の大きいタブレット型のオイルインサート制作にチャレンジしてみた。

 前回の50mlアルミボトルは底面直径が35mm程なので次にサイズの大きい100mlで試してみた。

100mlアルミボトル
100mlアルミボトル



 届いたボトルの直径は40mm。タブレットキャンドルの直径が38mmなのでわずか2mmの差である。

タブキャンドル
アルミボトルの底面にタブキャンドルを載せてみた


 期待しながらUCOミニキャンドルランタンにセットしてみると、ペッと吐き出された。ホルダーの三つ爪の許容範囲がシビアで、35mmだと中に落ちて斜めになる。40mmだと爪から弾き出される。

UCOミニ・キャンドルランタン
爪から吐き出されたボトル


 この2mmの調整をどうにかしたい。ただし、容量は稼ぎたい。悩んだ末、爪の所だけハンマーで叩いて凹ませることにした。ハンマーは通常の釘打ちハンマーではなく、頭の小さな点検ハンマーがやり易い。少しずつ何度も叩くと失敗しない。

オイルインサート
凹ませた箇所

タブレット型アルミ・オイルインサート
三箇所だけ凹ませる。


 凹ませた箇所を爪に合わせてセットすると爪から弾き出されることはなくなり、しっかりとセットできた。

タブレット型アルミ・オイルインサート
凹ませた箇所に爪を合わせる


 これでタンク下部の問題は一段落。次にタンク上部の構造に取り掛かる。

 前作のタブレット型アルミ・オイルインサートは非分解型であり、芯が使用限度を超えると再生できなくなる。今回はメンテナンス時のみ分解できる構造にしたい。

 HD8の金属部分の構造をそのまま利用することにした。

 HD8はPETのタンクに金属の火口を巻締めして取り付けてある。巻締部の内側にはピンクのシール部があり、シール部は柔らかな弾力がある。

 タンクの口の内側に入る凸部(上から見ると凹部)の直径は24.45mm。アルミボトルの上部を利用し、ギリギリこの凸部がアルミボトルに嵌入できるようにカットすることにした。

タブレット型アルミ・オイルインサート
火口の凸部の径は24.45mm


 ノギスの固定ネジを締めてアルミボトルの首に当て軽く傷をつけて位置を決める。この位置より細い所からリューターに切断砥石を付けてカットする。

 木の板にサンドペーパーを置き、切断面を当て、少しずつ削りながら火口の凸部と合わせ、どうにか無理すると嵌入できる位置で調整する。この時の注意ポイントはキツ過ぎてもボトルの口が裂けたり変形して失敗する。緩過ぎると火口がポロリと外れたり、燃料漏れが発生する。嵌めにくく、外しにくい大きさになるよう少しずつペーパーで削りつつ、押し込んでみることを繰り返すしかない。

タブレット型アルミ・オイルインサート
カットしたボトルの首。

タブレット型アルミ・オイルインサート
ボトルの首にHD8の火口をはめ込む。

タブレット型アルミ・オイルインサート
はめ込んだ状態を横から


 タンクの上下が調整できたらリューターで部品の切り出しを行う。

タブレット型アルミ・オイルインサート
切り出した部品。
左はタンク下部。右はタンク上部。


 幅5mmに切ったアルミ板でタンク内部の繋ぎ部品を作り耐熱性接着剤で固定する。 

タブレット型アルミ・オイルインサート
繋ぎ部品をタンク内部に取り付ける




タブレット型アルミ・オイルインサート
耐熱接着剤で固定。


 接着剤が硬化したらタンク上部も同じ耐熱接着剤で固定する。つなぎ目に隙間ができないよう接着剤を入れるのがポイントである。

タブレット型アルミ・オイルインサート
完成したタンク。

 接着剤が硬化したらほぼ完成である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンクの内部。


 火口に以前紹介したオイルランプ用のガラス芯を通し、タンクに火口を押し込めば完成である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
火口にガラス芯を通す。


 HD8から取り出した火口の巻き締め部には食用の缶詰と同じようにシールが塗布されている。爪楊枝の先端で触ってみたが、結構弾力があり、このままシールを利用させてもらうことにした。もし今後、燃料が漏れることがあれば液体ガスケットを塗布してみようと思っている。

タブレット型アルミ・オイルインサート
火口の巻き締め部のオレンジ色のシール部。


 火口の空気穴から100均の化粧品充填用のシリンジで燃料を充填し、芯の高さを調整すれば後は使うだけである。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンクに火口を押し込む。


 未使用のHD8と並べてみるとわずかに高さがある。高さを下げるほうが炎の位置的には好ましいのだが、そうすると燃料の容量が減る。

 タンクには20mlの燃料が入った。つまり燃焼時間は4〜5時間程度である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左がHD8。右が制作したオイルインサート。

タブレット型アルミ・オイルインサート
HD8より心持ち高さがある。


 早速点火してUCOミニ・キャンドルランタンにセットした。

タブレット型アルミ・オイルインサート
点灯状態。

 炎の大きさも良く、ロウのキャンドルよりわずかに明るい。なかなかいいようだ。


[自作 オイル化 オイルインサート キャンドル ランタン]

2019年11月27日水曜日

キャンドルランタンのオイル化 タブレット型アルミ・オイルインサート制作①

2019.October.26.

 前記事「キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作」の一番最後に書いたとおり、今回はミニ・キャンドルランタンのオイルインサートを制作してみた。

 手持ちのアルミボトルの底部の径は35mm。ミニ・キャンドルランタンに乗せてみると、ホルダーのサイズより若干小さ過ぎて座りが悪い。ちなみに市販のタブレットキャンドルは実測38mm径である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
50mlアルミボトル




 前回同様、火口はHD8を利用した。
 今回使用するボトルは2本である。

 2本の底部をそれぞれタンク上部と下部として使用する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
アルミボトルの底部。
左がタンク下部用。右がタンク上部用とする。


 その他、手持ちの0.5mm厚アルミ板。タンク内部の上下の繋ぎと、タンクの外径を増やしてミニ・キャンドルランタンのホルダーにきれいに収まるようにするためである。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左からHD8から取った部品。タンク上部。
タンク内部の繋ぎ部品。外径調整用。タンク底部。


 HD8から切り出した火口をタンク上部に接着する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク上部と火口を接着する。
(下の他の部品はただの台として使用しているので
気にしないで)


 今回も耐熱性接着剤「JBウエルド」を使用した。




 さらにタンク上部にタンク内部繋ぎ部品を接着する。この時、繋ぎ部品は半分はみ出すようにする。

タブレット型アルミ・オイルインサート
繋ぎ部品の接着


 残りは外径調整用部品とタンク底部である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左からタンク底部。外径調整用部品。タンク上部。



 この状態で火口にガラス芯を通す。このオイルインサートは非分解型なので長めに芯は入れた。燃料オイルは空気穴から化粧品注入用のシリンジで追加できるが、芯の交換は絶望的である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
ガラス芯を通す


 化粧品用アルミボトルはウコン缶などの飲料ボトルと違い、底部に接合部の十字型の山があるので、余分な山はリューターで削り落とした。ただでさえ容積が小さいので少しでも余計な部分は無くしたかった。

タブレット型アルミ・オイルインサート
余分な出っ張りを削ったあと。



 接合部にしっかりと接着剤を塗り、上下を接合する。隙間があると燃料が漏れる。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク上部と下部を接着。


 続いて外径調整用部品を接着し、タンクの外径を大きくする。

タブレット型アルミ・オイルインサート
外径調整用部品を接着


 接着剤の整形用にマスキングテープを貼る。

タブレット型アルミ・オイルインサート
マスキングテーブをはり、接着剤の形を整える。


 接着剤が硬化した後、リューターで余分な接着剤を削り、表面を研磨する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
研磨後の底部

タブレット型アルミ・オイルインサート
研磨後の上部


 これで完成。
 燃料を注入し、芯の高さを調整する。

タブレット型アルミ・オイルインサート
芯の高さ調整後


 未使用のHD8と比較すると一回り小振りとなった。高さも低くした。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左がHD8、右がタブレット型オイルインサート。

タブレット型アルミ・オイルインサート
左がHD8、右がタブレット型アルミ・オイルインサート。


 ちなみにタンク容量はわずか15mlほど。1時間に4~5ml燃焼するとして3時間ちょっとである。
 冬の仕事帰りの浜辺でのコーヒーブレイクには余るほどの燃焼時間である。

タブレット型アルミ・オイルインサート
タンク容量は約15ml。
燃焼時間は3時間ちょい。

 UCOミニ・キャンドルランタンでの燃焼状態は下の写真のとおり。
 炎の高さも充分。照明器具としてのキャンドルランタンとしてはロウソクより明るい。

 燃焼時に持って回ってもロウがこぼれる心配もない。点火消灯を繰り返してもロウソクのように芯が短くなって炎が小さくなることもない。

タブレット型アルミ・オイルインサート


 タンクの容量が少ないのだけが不満といえば不満かな。


[自作 オイル化 オイルインサート キャンドル ランタン]