2019年11月17日日曜日

キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作 ①

2019.October.19.

 前記事「キャンドルランタンのオイル化についての実験と考察 HD-8の利用」で手に入れたHD8の火口の構造とキャップの効能については素晴らしいものがある。

 PET製のタンクは熱に弱いので仕方ないのだが、熱に強いタンクを使用すれば問題は一気に解決する。

 過去記事「キャンドルランタン オイルインサート」ではMGT-4の火口とガラス瓶を使用した。これはこれで使えないことはないのだが、ガラス瓶は重くていただけない。燃料の残量確認には便利なのだか、軽量が取り柄の「アルミ・キャンドルランタン」が泣く。

UCOキャンドルランタン
アルミ・オイルインサート


 身近な小型アルミ缶を探してみたがウコンドリンクの缶でも大きい。でも探せば見つかるものでamazonで化粧品用の小分けボトル50mlというのが使えた。ただし、キャンドルホルダーと同径なのでホルダーとボトルを交換する方法を取るしかない。


アルミ・オイルインサート
見つけたアルミボトル50ml。



 まずHD8のタンクと火口を分離する。リューターに切断砥石を付けてタンクの口を切る。

アルミ・オイルインサート
火口を切り外したHD8

 さらに阿蘇山で言えば外輪山の部分は使わないので中岳を中心としたカルデラ部分を利用する。(例えが九州人以外わかりにくいかも・・・下の写真の通りです)

アルミ・オイルインサート
不要部分をカット。

アルミ・オイルインサート
ここが使用する部分。

 このボトルのキャップは結構柔らかいのでボトルの口を覆うギリギリのサイズでかつ、キャップの内側に入るサイズで部品の径を合わせる。

アルミ・オイルインサート
ボトルの口をギリギリ覆うサイズ

アルミ・オイルインサート
かつ、キャップの中に入るサイズ


 キャップの中央に部品の突起部が入るサイズの穴を開け、耐熱接着剤で接着する。
 アルミ缶バーナーで多くの方から絶賛の「JBウェルド」が300℃までの耐熱性があるということでこれを使用した。





 ボトルの底部には1mm厚アルミ板を円形に切り、もともとあったキャンドルホルダーの爪に合わせた形に整形した足を接着した。 

アルミ・オイルインサート
キャップに火口、ボトルに足を接着。

アルミ・オイルインサート
ボトル底部の足の形。

アルミ・オイルインサート
キャップの火口の形。


 接着剤が硬化したあとでジッポーの芯を2本繋いで取り付けた。

アルミ・オイルインサート
2本繋のジッポーの芯。


 一応完成?

アルミ・オイルインサート
組み立て完了。

 で、早速燃焼テスト。


アルミ・オイルインサート
燃焼状態。

 燃焼テスト後1時間。なかなか良いかも? 
 1時間で4~5mlの燃料を使うようなので、ボトル50mlだと10~12時間はもつはず。ということでCasio NameLandで印刷しボトル底部に貼り付け。これをしてないとそのうち忘れてしまうのである。


アルミ・オイルインサート
ボトルの容量と燃焼時間の概算を明記。

 キャンドルランタン本体のハードケースとしてペットボトルをドライヤーで変形させたものを制作した。
 サイズ違いのコーヒーのペットボトルを本体と蓋とし、両方をセットしてから外から温風で加熱し蓋のサイズを縮める。きつすぎず、ゆるすぎない程度でやめておくのがポイント。言うほどキレイにはならなかったが・・・。

UCOキャンドルランタン
ペットボトルで作ったセミハードケース

UCOキャンドルランタン
収納状態。

 これで一段落と思っていたが、5時間程燃焼させた頃、急に炎が小さくなった。芯の状態に変化はない。燃料を継ぎ足すと炎が大きくなった。

 つまり、ジッポーの芯では燃料液面が下がると燃料を吸い上げきれなくなる事がわかった。サイフォン効果を高めるため、手持ちのガーゼを芯に巻くと炎の大きさが安定した。

 しかし、ジッポーの芯の不安感を拭えなかったので、ちゃんとしたオイルランプの芯を入手した。ガラス芯3mm径である。

アルミ・オイルインサート
3mm径のオイルランプ芯

 この芯なら大丈夫とは思うが、液面からの高さを考え転ばぬ先の杖。ガーゼを巻き、糸で軽く解けないように縫った。

アルミ・オイルインサート
ガラス芯の周囲を5周ほどガーゼで巻き軽く縫う。

アルミ・オイルインサート
ガラス芯の下部だけが巻かれればいい。

アルミ・オイルインサート
芯とガーゼはスライドできるようにしておく。

 ガラス芯はジッポーの芯よりはるかに太い。千枚通しで火口の穴を少し広げ、芯の先を説明書の通りテープで巻いて穴に通す。

アルミ・オイルインサート
芯の先端をテープで斜めに巻く。

アルミ・オイルインサート
テープごと穴に通す。

アルミ・オイルインサート
引き抜いてテープを外す。

 これがなかなか難しく、穴を少しずつ広げながら、テープの巻き方を変えながら何度もやり直してどうにか通せた。

アルミ・オイルインサート
芯が火口にセットできたら完成

 ちなみに下の写真はキャンドルランタンの下のキャップと完成したアルミ・オイルインサートともともとのキャンドルボルダーである。



アルミ・オイルインサート
左からキャンドルランタンの下のキャップ。
中央が完成したアルミ・オイルインサート。
右がもともとのキャンドルボルダー。


 アルミ・オイルインサートの底部はキャップにきちんと固定できるように、何度もリューターで削りながら整形した。

アルミ・オイルインサート
オイルインサート取付状態


 芯の出し方は0.5mm程度で下の写真の炎の高さとなった。

UCOキャンドルランタン
ベストな炎。

UCOキャンドルランタン
アルミ・オイルインサートとキャンドルランタン

UCOキャンドルランタン
キャップを付けたところ

UCOキャンドルランタン
キャップを付けてセット

アルミ・オイルインサート
キャップの拡大


 ちなみにHD8のキャップが今後割れたりして破損した時どうするか? と、考えて手元にある物で代用品となるものを探してみた。

 なんとピッタリだったのはJTのプルームテックのシリコンキャップである。なにかに使えるかも?と捨てずに貯めてあったのがようやく日の目を見た。

 径はピッタリ、高さが高めである。

アルミ・オイルインサート
左がJTのプルームテックのシリコンキャップ。
右がHD8の純正キャップ。

アルミ・オイルインサート
ゆるくもなく、きつくもなくピッタリ。


 プルームテックのシリコンキャップだと、キャンドルランタンを畳んだ時に少し隙間ができる。

UCOキャンドルランタン
プルームテックのキャップでランタンを縮めた時

UCOキャンドルランタン
できてしまう隙間


 シリコンキャップをハサミで少し切ることで、問題は解決した。

 これでようやく納得の行くオイルインサートが完成した気がする。
 ただ、キャンドルランタンはこれだけではない。ミニキャンドルランタンも手元にはあるし、持ってはいないが、キャンドリアも前から興味津々である。

 夢?(欲望?)は果てしない。


【追記】「キャンドルランタンのオイル化 アルミ・オイルインサート制作 ②」に続く


[自作 オイル化 オイルインサート キャンドル ランタン]

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