2018.February.12.
ひとりの夜のお供はやはりラジオである。
車中泊の車内でのんびり夜を過ごすのにラジオを聞きたいのだが、車内は金属の箱の中。電磁シールドの状態なのでガラス窓に近づけないとラジオの感度が悪い。
細いビニール線の両端にワニ口クリップを付けたワイヤーアンテナは以前から愛用している。キャンプの際、テントの中から近くの立ち木などの枝に伸ばしてテント内で短波を楽しんでいた。もちろん車中泊でもドアの隙間からこのワイヤーアンテナを使用すれば問題はない。ただ、駐車している場所の傍に立ち木などがないとワイヤーアンテナは張れない。
車に加工しない方法で使用するときだけ付けられるアンテナを考えてみた。
メルテック(大自工業)のウインドーネット バックドア用 WP-33 に付属していた大判のクリップがレインガーターにぴったりだったので利用してみた。
メルテック(meltec) (2012-04-19)
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1.0mmのステンレス軸棒の50cmがあったので、これをアンテナにしてみた。
メルテックのウインドーネット バックドア用に 付属していた大型クリップ。 |
つまみ部分に釣り用のステンレス軸棒1.0mmと ほぼ同じ穴を開けて通す。 クリップの口の部分はルーフレール取付時に アンテナが垂直に立つように硬めの隙間テープを 貼り付けてある。 |
アンテナの下側も軸棒をJの字に曲げた。ここにビニール線を配線する。
ステンレス軸棒の脱落防止にクリップ内側は ばね状に環を作り外側はJの字に曲げる。 |
Jの字の部分にビニール線の芯線を巻き付け、スリーブを半分に切ったものでカシメる。
J字部分にビニール線の芯線をより結び、 スリーブを半分に切ったものでカシメる。 |
スリーブをカシメる直前。 |
スリーブ部は熱収縮チューブで覆う。 |
カシメ部は熱収縮チューブで覆う。
完成したアンテナを車のレインガーターに取り付けてみた。アンテナ自体は狙い通りほぼ垂直に立つ。風にもあまり揺れない。
ルーフレールに取り付けたところ。 |
アンテナの長さは約45cm。 |
アンテナの線はバックドアのウェザーストリップに挟む形で車内に引き込む。運転中は車のオーディオを使用するのでこのアンテナは取り付けない。停車してのんびりラジオを聴く時だけ使用するのでこれで充分である。
ビニール線はバックドアからそのまま引き込む。 ビニール線の最下端はウェザーストリップ附近に 来るので、万が一の雨でも車内に水の侵入はない。 |
ドアを閉めてもウェザーストリップにゴムに 挟まるので断線しない。。 |
AIWAの短波ラジオ WR-A100 で受信テストを行った。
AIWA WR-A100 |
で、実際使用してみたが感度がいまいちである。長さが足りないようである。
2本継ぎにしてみた。送信用のアンテナではないので、SWR等を調整する必要もない。ただ、受信だけである。したがって接合部は軸棒を曲げて2つ折りできるようにしてみた。
下の写真の左側が上部のアンテナ。右が下部になる。上部は先端の途中をUの字に曲げただけ。下部側は先端に環、少し下にまた環を作った。上の環の中を上部アンテナ本体が通っており、アンテナを伸ばす時に上部アンテナの先端を下側の環に差し込むだけ。適度なテンションがかかっているのでゴソゴソしない。
工夫した接合部。 |
アンテナを収納するときには上部の環から外さずにU字部分でくるりと回すと2つ折りにになる。手持ちの軸棒が50cmの物しかなかったのでこうしてみた。
折りたたんだ状態。 |
出来上がって車のルーフレールに取り付けてみた。
柔い。ふにゃふにゃである。無風ならいざ知らず、風が吹くと「柔軟」になびいてしまう。これでは駄目だ。
翌日仕事帰りに近くの釣具屋に寄った。1.3mmの長さ1mの軸棒が手に入った。
よし、1mでいくぞ。だが、1.3mmでの1mではやはり全体にふにゃふにゃしている。50cmまでは2本でその先は1本で作ることにした。
1本は1mそのままで、もう1本は50cmに切断する。基台の給電部は圧着端子でカシメる。1.3mmのステンレス軸棒がダブルになっている50cmの先端(アンテナ全体の中央部)と、その中央、クリップの付け根はスリーブを切断したもので3カ所カシメて2本の軸棒を1本にする。2本全体は熱収縮チューブでしっかりと1本化する。
完成したアンテナが下の写真である。下からビニール線、クリップの基台、黒い皮膜の部分が2本ダブルのアンテナ部分、その上の金色が1本部分のアンテナ。先端には熱収縮チューブで突き防止を付けた。
完成したアンテナの全体写真。 黒い部分は下半分。 |
基台クリップの口側から。 |
ルーフレールに取り付けてみると結構長い。風もまあまあ吹いているが大丈夫なようだ。
写真では50cmの位置までしか 写っていない。 実際はこの約2倍の長さがある。 |
私の車はバックドアにも網戸を付けている。車内への引き込みには網戸の枠とボディ内装の隙間に予めビニール線とギボシ端子を通しておいた。
車内側のギボシ端子のメス。 |
アンテナ側のビニール線の先端にはギボシ端子のオス。車側がメスにしてある。
アンテナ側はギボシ端子のオス。 |
車内のネットラックにはアンテナとラジオを結ぶビニール線を這わしてある。アンテナ側にギボシ端子のメスを、ラジオ側にはワニ口クリップを付けてある。
左下のコードロックが付いている黒い線がアンテナ側。 ギボシ端子から出ている青い線がラジオにつなぐ線。 |
ラジオにはワニ口クリップをラジオのロッドアンテナの先に噛ませて使う。
ラジオのアンテナに挟むワニ口クリップ。 |
ラジオのロッドアンテナではFMとSW(短波)だけである。MW(中波)のAM受信は内蔵のフェライトバーアンテナを使用する。この外部アンテナではAMの感度は上がらない。ましてシールドされた鉄の箱の車内では厳しい。
このアンテナを利用してAMの感度を上げる方法を考えてみた。
AMの感度を上げる方法としてビニール線をラジオに巻き付けるという方法がある。ならば最初から線の巻かれた筒の中にラジオを入れてみるのもいいはず。
クリアフォルダーを適当にカットしてラジオに緩めに巻く。エナメル線をその上から巻き付けた。エナメル線は被膜があるのでショートはしない。巻いたエナメル線の上から梱包用のテープを巻いた。エナメル線の端はワニ口クリップを挟めるよう圧着端子を付けた。それが下の写真である。
材料はクリアフォルダーとエナメル線、ビニール線と 圧着端子、梱包用テープ。 |
使用方法は簡単。この筒の中にラジオ本体を入れて圧着端子に外部アンテナをつなぐだけである。
手持ちの一番大きいTECSUNのPL-310ETに合わせた。 |
実は十年以上前に外部アンテナとして細いビニール線を使ったワイヤーアンテナは制作していた。キャンプの時、テントの横の立ち木の枝からテント内のラジオに引っ張れるようにしたものである。出張時のホテルの窓やカーテンに引っ掛けて窓際に伸ばし、ラジオを聴くのにも使用している。コードドラムも100均の材料で手作り。
何メートルの線か調べてないが短めの ワイヤーアンテナ。 |
こちらも長さ不明だが長めの方のワイヤーアンテナ。 |
ワイヤーアンテナは周囲に人がいない場所ならお勧めではあるが、車中泊の駐車場で他人を引っ掛けると迷惑になるので使用は厳しい。
今回制作したメルテックのクリップとステンレス軸棒のアンテナをテストしている時、ふと携帯のテレビだとどうなるのか?と思い実験してみた。
スマホのテレビのアンテナをほんの少し引き出し、先端にワニ口クリップを挟む。テレビアプリを起動して様子を見た。
おおっ。やはりテレビがしっかり映る。クリップを外しスマホのアンテナを伸ばす。しかし、テレビは映らない。ワニ口クリップを挟むとまた映る。アンテナの効果は証明された。
ま、しかし。私はテレビは見ない人間なのでどうでもいい。1年間で30分も見た覚えがない。スマホにもテレビはいらないのだが・・・。
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