2020年4月8日水曜日

空きビンで作るキャンドルランタン ③ (防災用キャンドルランタンとして)

防災用キャンドルランタン
防災用キャンドルランタン

 現在私が住んでいる所は、昭和40年代中頃に建てられた物なので、隙間風が半端無い。台風時はサッシの隙間を新聞紙や雑巾で詰め、梱包テープで目張りしても吹き込んで来る。窓という窓に目張りしても世を儚んだりしてはいない。夏場以外は目張りは外しているので換気したくなくても換気充分である。ちなみにトイレの床の排水口はトラップが作られていないのか、風向きによっては部屋中汚水の匂いが充満する。対策として100均のシリコンラップシートで排水口を塞いでいる。掃除の時はペラっと剥がせば大丈夫。さらに台所のシンクの下の収納の奥からは床下の風が吹き込んでくる。調理中足元が寒くて気がついた。
 つまり酸欠の心配は皆無である。

防災用キャンドルランタン
癒やしの明るさと暖かさ。
※何かの儀式ではない。



  先週、宮古島でも結構気温が下がった日が数日続いた。なんと明け方の最低気温15℃である。
 「はあ? 15℃で寒いなんて言えるかよ?」と思った方も多いかも知れないが、ここは沖縄本島より更に南の宮古島である。北緯24度48分である。年平均気温の平年値は23.3℃である。
 面白いので調べてみたが、中華民国(台湾)の台北市は北緯25度5分。宮古島は台北より赤道に近い。ちなみに東京都は北緯35度41分、年平均気温15.4 ℃らしい。東京からは緯度的に11度も南である。経度は東京が東経139度41分、宮古島は東経125度16分らしいのでその差14度25分。15度で1時間の時差になるので、朝は1時間遅く、夜も1時間遅い。

 脱線したが、その数日はエアコンのヒーターを入れるまでもないので、キャンドルランタンとアロマポットのキャンドルを満喫した。その時の写真が上の写真である。怪しげな祭祀をとり行なっている訳ではない。単身赴任中なので、内心では魅力的なサキュバス嬢でも召喚できれば!と少しは思っていたのだが・・・。
 ふすまを取り払った約17畳の室内(全床面積)も、8つのキャンドルを使うとほのかに暖かくなった。
 
 そういえばキャンドルを使った「キャンドルヒーター」なるものが売られているようだ。ふぅんと思いながらネットの波に漂っていると「キャンドルは電気と違いCO2を排出しない」と言うような記事も見つけた。「?」 である。「!」 である。ありえないと思い、どれぐらいのCO2が出るのか「キャンドル CO2排出」調べてみたら、別のサイトでは「100Wの電球を使用するとCO2排出量は36g」「仏壇用の小さいロウソクで1時間でCO2が12.5g」との記事が。蝋燭の明かりが大体1カンデラ、100W白熱球は約1,000カンデラらしい。キャンドル4個灯すと、100W電球のCO2量を超える。100W電球と同じ明るさをキャンドルで得ようとすると1,000個も灯すことになり、その際のCO2量は12,500g(12.5kg)となる。
 どうもキャンドルは自然環境には極めてエコでは無いらしい。



 長くなったが、ここからが本題。(防災用キャンドルランタンとして)

 翌日、4個目、5個目のキャンドルランタンを触りながらふと考えた。
 このランタンにはキャップがある。この中に必要なものを入れると防災用の照明になるのでは? 必要なものとは光源とのキャンドル数個とランタンを安全に吊るす道具である。このビンの中に全て入れておけばコンパクトにまとまる。テーブルや机に置くより、鴨居や壁に掛けられれば広く室内を照らせる。

 まずはステンレスのヨーオレと2mmΦのステンレス針金を準備した。材料はこれだけである。ヨーオレは壁や鴨居にねじ込んでランタンを吊るす起点とする。
 ヨーオレってなんぞや? と思って調べたら「洋折」らしい。

ステンレスのヨーオレ

2mmΦステン針金



 次に針金で三つ折りのワイヤーを作る。これは高さ調節用のものである。

防災用キャンドルランタン
三つ折りワイヤー



 壁にヨーオレをねじ込んでもランタンが壁に接すると火災の危険がある。壁から距離を取りたい。ヨーオレから延長できるアームを考えた。
 延長アームは下の写真のように針金を曲げただけ。

防災用キャンドルランタン
左:ステンレスヨーオレ
右:延長アーム

防災用キャンドルランタン
ヨーオレと延長アームの接続状態。


 使用方法はまず壁にヨーオレをねじ込む。(自分の家ではないので手持ちの工作用の杉板を使用してみた)

壁にヨーオレを取り付ける。


 ヨーオレの先端から延長アームの環状の部分を差し込み、ヨーオレの奥に通す。

防災用キャンドルランタン
ヨーオレの先端から
延長アームの環状の部分を
差し込む。

防災用キャンドルランタン
そのまま奥に通していく。

防災用キャンドルランタン
延長アームをくるりと回転させる。

防災用キャンドルランタン
途中の環にヨーオレの先端を入れる。

 
 延長アームの途中の環にヨーオレの先端を入れる。

防災用キャンドルランタン
環にヨーオレの先端を入れた。

防災用キャンドルランタン
止まる所まで入れるとOK。
これで延長アームは捻れない。


 延長アーム先端のフックが上を向くのでここにランタンを吊るす。

防災用キャンドルランタン
延長アームにランタンを吊るす。

防災用キャンドルランタン
真横から見ると壁から離れている。

防災用キャンドルランタン
ピンぼけでごめんなさい。
壁からランタンの口まで
最短で6cm離れる。

防災用キャンドルランタン
ヨーオレ、延長アーム、ランタンの位置関係。


 この延長アームを使うことで、ランタンの口と壁は6cm離すことができる。ランタンの中心からは約8cmである。キャンドルの炎の高さは高くてもビンの半分程度。裸火ではないので、カーテンの側やカレンダーの下ではない限り危険゛性は少ないと思う。

 次に鴨居に吊るす方法である。
 ヨーオレを鴨居のなるべく下の位置にねじ込む。(ギリギリ下だと鴨居の木材が割れてヨーオレが落ちるので注意) 三つ折りのワイヤーでランタンを吊るす。

防災用キャンドルランタン
鴨居に吊るしてみた。

防災用キャンドルランタン
18cmの距離を確保。



 三つ折りワイヤーのおかげで鴨居の下端より18cmの距離が取れる。

 ヨーオレ、延長アーム、三つ折りワイヤー、キャンドル4つがこの空きビンランタンに入り、蓋を締めて保管できる。ちなみにキャップの印刷は白のタッチアップペイントで塗装した。吊り下げ用のハンドルはビンに密着するように収納できる。
 キャンドル1個の燃焼時間は約3〜4時間。4個で12〜16時間である。キャンドルが補充できれば半永久的に使用可能である。もちろん吊るさなくても机上に置いて使用することも可能である。

防災用キャンドルランタン
ヨーオレ、延長アーム、三つ折りワイヤー、
キャンドル4つを収納できる。
防災用キャンドルランタン
吊り下げ用のハンドルは邪魔にならない。

防災用キャンドルランタン
これで防災用キャンドルランタン
1セット。

 ビン自体は蓋を使えば密閉容器になっていたのだが、ガラス瓶底部に吸気孔を開けているので密閉性はない。適度なサイズの厚めのジップロック等に入れておけば防水性も保てるだろう。ちょっと大きめの袋になら追加のティーライトキャンドルも一緒に入れることも出来る。

 各部品の重量を調べてみた。
 ①ビンと吊りハンドル・・・・132g
 ②蓋・・・・・・・・・・・・   7g
 ③延長アーム・・・・・・・・   4g
 ④三つ折りワイヤー・・・・・   4g
 ⑤ヨーオレ・・・・・・・・・   2g
 ⑥ティーライトキャンドル・・  13g
 ⑦上記①〜⑤と⑥×4個・・・・197g
 上記の⑦がワンセットとしての総重量になる。ガラス瓶の重量が結構あるので重い。非常持ち出し袋に入れるのであればUCOのキャンドルランタンがBESTである。しかし、家に置いて置くのであればこれで充分であろう。工具代を除けばステンレス針金とヨーオレ代だけでキャンドルランタン自体は無料である。

防災用キャンドルランタン
ビンと吊りハンドル132g

防災用キャンドルランタン
蓋 7g

防災用キャンドルランタン
延長アーム 4g

防災用キャンドルランタン
三つ折りワイヤー 4g

防災用キャンドルランタン
ヨーオレ 2g

防災用キャンドルランタン
ティーライトキャンドル13g

防災用キャンドルランタン
上記全部ひとまとめ197g





 おまけ・・・。

 ランタン用スタンドを追加した。今度は脚部を三角にしてみた。また、柱は半分まで2本。2本部分の上と下は2mmΦの針金で巻いて締め、さらに瞬間接着剤を流し込んでいる。安定度が極めて向上した。

ランタンスタンド
ランタンスタンド数種。

ランタンスタンド
脚部の構造のアップ。

防災用キャンドルランタン
吊るしてみた。

 作業が全て終わった夜。また、キャンドルを灯して癒やしの時間を過ごした。

サキュバス召喚
くれぐれも儀式ではない。


 この記事を書いている今日現在。毎晩のようにキャンドルを灯しているが、どうしてもサキュバス嬢は出てきてくれない。

キャンドルの灯火に心だけは癒やされながら、ひとり寂しい夜が更けていく・・・。


[自作 空きビン 空き瓶 キャンドル ランタン]

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