2018年11月5日月曜日

職場の強力パンチ Carl No.122 修理

2018.November.01.

 職場で長年使用されてきた事務用の強力パンチ Carl No.122 の「ワイドダブルゲージ」が折れていた。  (※部品の名称はメーカーサイトを参照した。)
 

Carl No.122の修理
写真左の手前が破損したワイドダブルゲージ。

 中央付近からポッキリと二つに折れている。


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 ワイドダブルゲージの取り外しは、紙を載せる基台の中央にある説明書のシールを剥がした下にギアボックスの蓋があり、その蓋を外すと抜き取れる。

Carl No.122の修理
二つに折れていた。

 ワイドダブルゲージが通っているギアボックスの穴には下部に二つの爪がある。さらにギアボックスの蓋にはワイドダブルゲージがの抜け落ち防止用の爪もある。
 詳細は下の図の通り。

Carl No.122の修理

 これらの各爪に当たらないように補強材を入れて修理することにした。

 折れた断面は瞬間接着剤で貼り合わせる。次に補強材として0.3mmφのステンレスの針金と大型のクリップの針金を使用した。
 補強材の入れる位置は下の図の通り。

Carl No.122の修理

 補強材の固定と強度アップのためにエポキシ系接着剤で固める。エポキシ系接着剤の剥がれ防止のために接着剤充填カ所の表面をリューターで凸凹に傷を入れる。

Carl No.122の修理
ワイドダブルゲージの下側。

Carl No.122の修理
ギア部の内側の溝の内部に傷を入れる。

 折れたワイドダブルゲージの左右の針金を通す溝にそれぞれ2カ所穴を開ける。
 破断面に瞬間接着剤をつけ、貼り合わせる。

Carl No.122の修理
一番広い溝にも針金を通す穴を開ける。

 開けた穴に両側から糸で縫うようにステンレス針金を通していく。

Carl No.122の修理
針金を通す過程①

Carl No.122の修理
針金を通す過程②

Carl No.122の修理
針金を通す過程③

 通し終わった針金の末端はツイストして短く切断する。そして瞬間接着剤を少し流して針金とゲージの接着力を上げる。

Carl No.122の修理
針金の末端はツイストして短く切断。

 次はギヤ部分の細い溝の中に大型クリップの針金をカットして挿入する。これも挿入後は瞬間接着剤を流す。

Carl No.122の修理
大きいクリップを伸ばし、適当な長さに切断。

Carl No.122の修理
ギヤ部の溝に針金を挿入する。

Carl No.122の修理
瞬間接着剤を入れた後。

 瞬間接着剤はあまり盛れないのでエポキシ系接着剤で溝の隙間を埋めていく。


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エポキシ系接着剤は2液混合型である。

Carl No.122の修理
エポキシ系接着剤を充填した後。

 エポキシ系接着剤が硬化した後で溝内部、ゲージ外部共に余分な接着剤をリューターで削り成型する。
 途中何度もパンチ基台の穴を通してみて、引っかかる箇所を削った。
 
Carl No.122の修理
余分な接着剤を削り取った後。

Carl No.122の修理
仕上がり状態。

 パンチ基台のギアボックスは、基台中央の説明書シールを剥がさないとアクセスできない。
 このシールを剥がすとプラスネジ2本でギアボックスの蓋が取り付けられている。
 ギアボックスには3つのギアがあり、このギアのおかげで左右のワイドダブルゲージが同時に同じ量動いてくれる。

Carl No.122の修理
パンチ基台中央の取扱説明書シール。

Carl No.122の修理
シールを剥がすとギアボックスの蓋がある。

Carl No.122の修理
ギアボックスの蓋を外すと中にギア3つがある。

Carl No.122の修理
今回修理したのは右側のゲージ。

Carl No.122の修理
このギアのおかげで
左右のワイドダブルゲージが同時に動く。

 かなり古いパンチなのでプラスチックを傷めないシリコングリスを塗布して動きを軽くする。各ギアの軸、ワイドダブルゲージ自体にも薄く塗布した。

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 左右のワイドダブルゲージを同時に挿入して、下の写真のように同じ動きをしてくれると正解の位置である。
 
 剥がした取扱説明書シールを貼り直し、その上から透明の梱包テープでシールの端をしっかり留めて修理完了。

Carl No.122の修理
左右のワイドダブルゲージが同じ動きをするように
ギアボックスに嵌める。

Carl No.122の修理
ギアボックスの蓋を留める。

Carl No.122の修理
取扱説明書シールは粘着力が落ちているので
透明の梱包テープで貼り付ける。

Carl No.122の修理
もう一度動作確認して、完成。

 透明の梱包テープで説明書シールを貼ったのは、また修理が必要になった時に分解しやすいようにである。できればそうなって欲しくはないのだが・・・。

 この強力パンチはこれでまた前線復帰である。末永く頑張って欲しい。
ちなみにパンチの刃は今回の修理の半年前にリューターで研磨済みである。

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