2018.November.01.
職場で長年使用されてきた事務用の強力パンチ Carl No.122 の「ワイドダブルゲージ」が折れていた。 (※部品の名称はメーカーサイトを参照した。)
写真左の手前が破損したワイドダブルゲージ。 |
中央付近からポッキリと二つに折れている。
カール事務器
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ワイドダブルゲージの取り外しは、紙を載せる基台の中央にある説明書のシールを剥がした下にギアボックスの蓋があり、その蓋を外すと抜き取れる。
二つに折れていた。 |
ワイドダブルゲージが通っているギアボックスの穴には下部に二つの爪がある。さらにギアボックスの蓋にはワイドダブルゲージがの抜け落ち防止用の爪もある。
詳細は下の図の通り。
これらの各爪に当たらないように補強材を入れて修理することにした。
折れた断面は瞬間接着剤で貼り合わせる。次に補強材として0.3mmφのステンレスの針金と大型のクリップの針金を使用した。
補強材の入れる位置は下の図の通り。
補強材の固定と強度アップのためにエポキシ系接着剤で固める。エポキシ系接着剤の剥がれ防止のために接着剤充填カ所の表面をリューターで凸凹に傷を入れる。
ワイドダブルゲージの下側。 |
ギア部の内側の溝の内部に傷を入れる。 |
折れたワイドダブルゲージの左右の針金を通す溝にそれぞれ2カ所穴を開ける。
破断面に瞬間接着剤をつけ、貼り合わせる。
一番広い溝にも針金を通す穴を開ける。 |
開けた穴に両側から糸で縫うようにステンレス針金を通していく。
針金を通す過程① |
針金を通す過程② |
針金を通す過程③ |
通し終わった針金の末端はツイストして短く切断する。そして瞬間接着剤を少し流して針金とゲージの接着力を上げる。
針金の末端はツイストして短く切断。 |
次はギヤ部分の細い溝の中に大型クリップの針金をカットして挿入する。これも挿入後は瞬間接着剤を流す。
大きいクリップを伸ばし、適当な長さに切断。 |
ギヤ部の溝に針金を挿入する。 |
瞬間接着剤を入れた後。 |
瞬間接着剤はあまり盛れないのでエポキシ系接着剤で溝の隙間を埋めていく。
愛用のクイック5 |
エポキシ系接着剤は2液混合型である。 |
エポキシ系接着剤を充填した後。 |
エポキシ系接着剤が硬化した後で溝内部、ゲージ外部共に余分な接着剤をリューターで削り成型する。
途中何度もパンチ基台の穴を通してみて、引っかかる箇所を削った。
余分な接着剤を削り取った後。 |
仕上がり状態。 |
パンチ基台のギアボックスは、基台中央の説明書シールを剥がさないとアクセスできない。
このシールを剥がすとプラスネジ2本でギアボックスの蓋が取り付けられている。
ギアボックスには3つのギアがあり、このギアのおかげで左右のワイドダブルゲージが同時に同じ量動いてくれる。
パンチ基台中央の取扱説明書シール。 |
シールを剥がすとギアボックスの蓋がある。 |
ギアボックスの蓋を外すと中にギア3つがある。 |
今回修理したのは右側のゲージ。 |
このギアのおかげで 左右のワイドダブルゲージが同時に動く。 |
かなり古いパンチなのでプラスチックを傷めないシリコングリスを塗布して動きを軽くする。各ギアの軸、ワイドダブルゲージ自体にも薄く塗布した。
愛用の呉シリコングリスメイト |
左右のワイドダブルゲージを同時に挿入して、下の写真のように同じ動きをしてくれると正解の位置である。
剥がした取扱説明書シールを貼り直し、その上から透明の梱包テープでシールの端をしっかり留めて修理完了。
左右のワイドダブルゲージが同じ動きをするように ギアボックスに嵌める。 |
ギアボックスの蓋を留める。 |
取扱説明書シールは粘着力が落ちているので 透明の梱包テープで貼り付ける。 |
もう一度動作確認して、完成。 |
透明の梱包テープで説明書シールを貼ったのは、また修理が必要になった時に分解しやすいようにである。できればそうなって欲しくはないのだが・・・。
この強力パンチはこれでまた前線復帰である。末永く頑張って欲しい。
ちなみにパンチの刃は今回の修理の半年前にリューターで研磨済みである。
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